皆既月食をカメラの設定を工夫して撮ってみた。

公開日: : 最終更新日:2021/05/26 宇宙

2014年10月8日の皆既月食を撮影しました。

皆既月食終了間際の月 ISO200・F8・2秒

前回、更新したエントリー「月の写真や皆既月食を撮ってみる」には、2014年10月8日の皆既月食の際、今までにないほど、たくさんの方に訪問していただきありがとうございました。少しでも撮影の際にお役にたてたら幸いです。

今回、このブログで皆さんに皆既月食を撮ることをオススメしておきながら、私が撮らないのもどうかなと思い、東京都内某所の公園で三脚を立てて撮影を行いました。

今回はスーパームーンの近くの月ということで見た目でわかるほど大きな月でした。約半年後の2015年4月4日にも皆既月食があるので、今回の経験を活かしてまたチャレンジしていただけたらと思います。

2021年5月26日には、スーパームーンの皆既月食が日本各地でみられるようです。ぜひご覧ください。

皆既月食を撮影した際の機材など

皆既月食前の月 ISO200・F8・1/320秒

前回の記事へのアクセスログのキーワードを見ていると、「皆既月食 撮影 設定」、「皆既月食 カメラ 設定」などより具体的な撮影方法や設定情報を求めてる方が多い印象でした。

今回の記事では、2014年10月8日の際、写真の設定情報、私自身が工夫したことなどより詳しい情報をお伝えしたいと思います。
まずは、今回の撮影時に使用した機材です。

一眼レフカメラ:Nikon D90
レンズ:Nikon AF-S DX Zoom-Nikkor 55-200mm f/4-5.6G ED
三脚:SLIK PRO 330 EZ N

※リモートコード(レリーズ)も以前使っていたものを紛失したので、新しく購入してきたが初期不良なのか動作せず諦めました。
仕方がなく、タイマーを2秒設定にして撮影時の手振れを抑えて撮影。

一眼レフカメラについては、私はかなり古い中級機を使っているので、センサーの性能など、ほとんどの方がより新しくて高性能な機種を使われていると思います。

レンズに関しても、D40のダブルズームキットのキットレンズで、先日に静電モーターが故障したのかオートフォーカスが使えず、完全にマニュアルフォーカスで利用しています。

また、200mm(35mm換算約300mm換算)のレンズを使用して常時撮影していました。

皆既月食を撮影した際のISO感度・絞り値(F値)・シャッタースピード

部分月食中の月 ISO200・F8・1/200秒

実際に撮影した写真を見たら下記のようでした。
カメラメーカーや機種による多少の差異、湿度や大気中のスモッグ、雲など天候の要素によって適切な設定はかわってくるので、シャッタースピードを微調整するなどその場の判断で撮影を繰り返して判断をお願いします。

欠ける前:ISO200・F8・1/320秒
部分月食始め:ISO200・F8・1/320秒
部分月食途中:ISO200・F8・1/250秒~1/125秒
部分月食終わり:ISO200・F8・1/40秒
皆既月食中:ISO200・F8・1.3秒~2秒

ギャラリーの作例には各々設定情報を注釈つけているので参考にしてください。

ピントに関しては、部分月食中にオートフォーカスやマニュアルで無限遠で合わせておいて、テープなどで固定しておくと途中でずれることもなく安心です。

ホワイトバランスの設定

月を撮影する際は、太陽の光を反射して月は輝いていることもあり、よく月の写真で見るような黄色みがかった月にするにはホワイトバランスを「太陽光」に設定すると実現できます。

私自身は、画像は後からパソコンで現像処理するのを前提で撮影しているので普段から画像モードはRAW形式に設定して撮影しています。

RAW形式で撮影した画像の場合は、JPEG形式の後からホワイトバランスは設定変更できることもあって、撮影時のホワイトバランスはあまり気にしておらず、AUTOの設定でいつもは撮影しています。もちろんシチュエーションによって設定を変える場合もあります。)

私自身は撮影時の記憶を頼りに記憶している色に近い色味にPCでのRAW現像の際にすることが多いです。

アクティブDライティング(オートライティングオプティマイザー)をオフ

前回の記事では全く触れておず、撮影中に液晶見ていて月の周りにアクティブDライティングの処理が加わって少し変になっていたのにっ気がつき、アクティブDライティングの機能はオフにしました。

メニューから設定を変えられるので、実際撮り比べて確かめてみることをお勧めします。

交互にアクティブDライティングの効果をON/OFFできるADLブランケット機能もあったので普段アクティブDライティングを使用している方は、不安でしたらその機能を使ってもよいと思います。

Nikonの「アクティブDライティング」にあたる機能は、Canonでは「オートライティングオプティマイザー」になると思います。Canonユーザーの方は参考にしてください。基本的には撮影時に白トビ・黒ツブレを防止する画像処理機能です。

リモートケーブル(レリーズ)・リモコンなどが用意できない場合

三脚に固定しても、実際にシャッターボタンを押してしまったときにカメラが動いてブレしまっては意味がない。

そういうときは、リモートケーブル(レリーズ)・リモコンなどのカメラ本体を触らず、シャッターが切れる機材があると便利です。
最近のカメラだとWiFi規格に対応していて無線LANでスマートフォンと接続して撮影できる機能もあるので、それがあればそれでもいいと思います。

今回は本体を直接触らない手段として、タイマーを使用しました。
シャッターボタンを押してから撮影までのタイミングは、できるだけ早い方が都合がいいので一番短かった2秒に設定。

集合写真や自撮りだけではなく、不用意な手振れを防ぐときにも、タイマーは使うことで代用できるのでTipsとして覚えておいていただけると嬉しいです。

三脚を使用して撮影する

三脚に関しては、月は動いてどんどん高くなっていくので、三脚の雲台は横向けて縦に少しずつ回して動かしながら撮影しました。
私の使っている雲台がスポーツなどの撮影に適した少し特殊な雲台なので、お持ちの三脚で各自工夫して撮影いただけると幸いです。

私の三脚の場合は、160cmぐらいの高さまで伸びて、私も身長があまり高くないので立って覗き込みながらの撮影もあまり苦ではなかったのですが、長時間になるので楽な状態に設定して座って撮影されるのもよいと思います。

初心者の方向けの情報ですが、三脚の足をのばすときは、先端の細い足からではなく、カメラを固定する雲台の方から伸ばしていってくださいね。太い足の方が安定しているためです。

もし今後、三脚を新規購入する場合は、一眼レフの対応のしっかりしたものをご購入ください。対応しないものを利用すると不用意に三脚が倒れて、思わぬカメラの破損につながる恐れがあります。

次の日本で観測できる皆既月食は2015年の4月4日

皆既月食終了直後の月 ISO200・F8・2秒

次の日本全国各地で観測できる皆既月食は2015年4月4日です。この執筆時点から約半年ほど先になります。
その次は、2018年で結構先になってしまうので天気が良くなることを祈っています。

前回の記事より多少は深く切り込んで書いたつもりですが、参考になったでしょうか。
何か質問などがあったら、Twitter( @fotos1k )をフォローして質問もしくは、このブログのお問い合わせからお願いします。私に答えられる範囲で、考えて返答したいと思います。

次回の皆既月食の際は、建物を入れて撮ったりともう少し踏み込んだ写真を撮ってみたいと考えています。
皆さんもカメラライフ楽しんでくださいね。

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