横浜トリエンナーレ2014を体験してきました。(横浜美術館編)

公開日: : 最終更新日:2014/10/21 お出かけ, 神奈川, 関東 ,

ヨコハマトリエンナーレ2014横浜美術館会場へ

ヨコハマトリエンナーレ2014「華氏451の芸術:世界の中心には忘却の海がある」

2011年に引き続き、3年に一度開かれるヨコハマトリエンナーレに行ってきました。まずは、横浜美術館の会場へ、今回は娘と一緒に行ったのですが、予想通り時間がかかり会場内には約3時間半ほどいました。所要時間としては、2時間~4時間前後中心といったところではないでしょうか。
会期は2014年11月3日(月・祝)までです。

展覧会の今回のタイトルは、「華氏451の芸術:世界の中心には忘却の海がある」。タイトルの由来はホームページを見ると以下のようです。

「華氏451の芸術」というタイトルは、言うまでもなく、レイ・ブラッドベリ作のSF小説『華氏451度』に由来している。いわゆる焚書がテーマの小説で、本を読むことも持つことも禁じられた近未来社会が舞台となっている。
1953年作とは思えないくらい、現代社会を予見していて見事だが、それ以上に興味深いのは、これが「忘却」の重みについてあらためて考えさせられる小説だという点である。

(タイトル / コンセプト | アーティスティック・ディレクター | ヨコハマトリエンナーレより引用)

新港ピア会場と2回にわけて観る予定だったのでゆっくり閲覧できましたが、メインとなる両会場を1日で楽しみたい場合は、10:00の開場時間から入ったほうがゆっくり楽しめると思います。主会場間の無料バスも出ているのでご利用ください。

ヴィム・デルボア《低床トレーラー》

お時間ない方で雰囲気だけ楽しみたい方は、桜木町から10分くらいの距離なので、入場券を買わず、横浜美術館の外にある展示とエントランスの中から見れる部分だけ見るのに立ち寄ってみるのも良いかもしれません。

ギムホンソックの《クマのような構造物》や《8つの息》、ヴィム・デルボアの《低床トレーラー》マイケル・ランディの《アート・ビン》など中心に、横浜美術館のエントランスから見渡せる範囲の作品を眺めることが出来ます。

横浜トリエンナーレ新港ピア編も記事アップしましたので、あわせてご覧ください。
横浜トリエンナーレ2014を体験してきました。(新港ピア編)

まずは、序章から

マイケル・ランディ《アートビン》

作品は、序章、第1話、第2話と会場内はテーマにそってカテゴライズされた展示になっています。話ごとに展示のイメージがガラリと変わっていて面白いです。

僕自身、写真を撮っていても、作品として出せるのは、一握りどころか、ほんと一つまみ。1つの作品の影に日の目を見ない作品になれなかった作品がたくさんここでいう忘却の海に捨て去られるような気がします。とりあえず、深く考えずにはこういうイメージで観ていました。館内に入ってすぐにあるマイケル・ランディの《アートビン》なんてのはコンセプトにあった典型的なものですね。

第1話「沈黙とささやきに耳をかたむける」

イザ・ゲンツケン《世界受信機》

淡色でキャンバスに塗りつぶした作品や、透明なボードに透明なインクで描いた作品、演奏時間だけ書いた楽譜など、ブランクを強調した作品が多く展示されていました。近づいたり、違う角度からのぞいてみると、筆の跡だったり、凹凸だったりいろんなものが見えてきます。私の場合は、その表面を読み取る作業が結構楽しくて、いろんな角度からの光の反射を楽しみながら見入ってました。

作品を見るときは、遠くから俯瞰で見たり、近づいてじっくり観たり、いろんな角度から見ると新しい発見もあって面白いですよ!

芸術作品ですごいと思うのは、「百聞は一見にしかず」を通り越して、「一見」が想像の世界のブースターになっていて、「一見」からどんどん作品の世界が広がっていくことだと思います。

生物の設計図がDNAだとすると、芸術作品もDNAだと思う。絶対条件じゃないと思うけど、評価されている作品はパッとみたり、聞いたりしたものが作品のただ一部で、そこから広がっていく世界が作品なのではないのでしょうか。

第2話「漂流する教室に出会う」

釜ヶ崎芸術大学の作品群

1話がすごく地味な作品群で、耳を傾けて自分から作品に近づいていかないとわかりにくい情報を省いていった作品だとしたら、次の2話では節操がないというか強烈な作品群が飛び込んできてびっくりしました。

大阪にあるど派手な外観の激安スーパー玉出のチラシで作った作品など。鎌ヶ崎芸術大学の作品たちが並んでいます。

第3話「華氏451はいかにして芸術にあらわれたか」

エドワード&ナンシー・キーンホルツ《Billionaire》

《Moe Nai Ko To Ba》 の作品展示のところは数人並んでいるだけでも結構長い間並んで待ちました。一人頭2分ほどの閲覧時間で交代のため、ページをすばやくめくろうとしましたが、1枚ずつゆっくりめくってくださいと係員の方に注意されます。平日の人がいない時間帯狙っていかないと、ゆっくり見られない作品だと思います。
作品の保護と回転率を考えると仕方がないとは思うのですが、正直もうちょっとゆっくり観れると嬉しかったです。

エドワード&ナンシー・キーンホルツの作品が一際目をひいたブースだったと思います。実際見て感じてくださいね。

第4話「たった独りで世界と格闘する重労働」

福岡道雄《何もすることがない》

芸術作品を作るのは大変な時間がかかり、労働といえるものかはわからないんだけど、自分の内面やいろんなものと戦っているんだと思います。

福岡道雄さんの《何もすることがない》などの作品群は、黒いボードをひたすら彫ってあって、漢字テストで間違えたときに何度も書き取りやらされた経験がありますが、それの何百倍何千倍と大変な地道な作業をしたんだなぁと想像できます。

第5話「非人称の漂流~Still Moving」

Temporary Foundationの作品

生々しい作品ではなく、無機質的な立体的な建築物が展示してあります。
ミラーになっているところはとても面白かったです。個人的には結構写真を撮って遊んでしまいました。

第6話「おそるべき子供たちの一人芝居」

アリーナ・シャポツニコフ《写真彫刻》

坂上チユキさんの緻密に描かれた作品が作品展示数も数多く展示させていて印象的でした。撮影不可の作品なのでこちらの写真はございません。上記の写真は、アリーナ・シャポツニコフさん作品です。

グレゴール・シュナイダー《ジャーマン・アンクスト》の照明

また、エレベーターに乗って3階から1階にいくとグレゴール・シュナイダーさんの作品があります。じめじめした地下空間の雰囲気で扉を開けて展示に入っていくのは少し怖いかもしれませんが、ぜひ飛び込んでみてください。

ちなみに、第7話「光にむかって消滅する」はパンフレットじっくり見ずに展示を見ていて、また時間が閉館まで残っていなかったせいもあり、うっかり見逃してしまいました。残念です。

次回、時間が取れた時に新港ピアの会場ものぞいてきます。また行って来たら、別エントリーとして追加しますのでお待ちください。

ヨコハマトリエンナーレ2014の詳しい詳細は…

詳しい詳細情報はホームページでご確認ください。

ヨコハマトリエンナーレ2014
http://www.yokohamatriennale.jp/2014/

ヨコハマトリエンナーレの横浜美術館でチケット購入について、主会場の横浜美術館・新港ピアの会場に入場できる単体券の当日券は大人1,800円中学生以下は無料、クレジットカードでの支払いは不可です。

横浜の雰囲気を楽しむのもよし、とりあえずアートに興味がある方は深く考えずにのぞいてみるのはいかがでしょうか!?

横浜トリエンナーレ新港ピア編も公開しました。こちらもあわせてご覧ください。
横浜トリエンナーレ2014を体験してきました。(新港ピア編)

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