俯瞰(ふかん)の視線で世界を見る。
文化庁メディア芸術祭でエンターテイメント部門の受賞作品「3RD(サード)」を体験
文化庁メディア芸術祭でエンターテイメント部門で優秀賞を受賞していたインタラクティブインスタレーション作品「3RD(サード)」を体験した。
カタカタが長くてわかりにくいので簡単に説明すると、インタラクティブとは、人間からコンピューターなどへの入力に対していろいろな応答ががあるような対話型形式のこと。
また、インスタレーションとは、すでに出来上がった作品を展示するのではなくて、環境も含めて可変的に展示される作品のことだ。
これでもわかりにくいね。。。書いていてそう思う。
インスタレーションに関しては、例えば写真だったら、その場で写真を撮りながら、展示もしていってドンドン作品が大きくなっていったりもそうだし。
展示する会場によって、そして来る人たちによって作品の状況が変わってくる。
芸術家はコンセプトと方法、環境を提示して、ゲストとともに作り上げてくような作品はインスタレーションと思う。
今回は、「3RD(サード)」をきっかけとして俯瞰でモノや世界を見ること、体験について書いてみようと思う。
3RD(サード)ってどんなもの
スマートフォンのディスプレイが内蔵されている三角錐の集合体(3Dの初期の頃はやったポリゴンみたいなもの)ようなへんな形のヘルメットをかぶって、天井の定点カメラから撮影した動画を見ながら会場をただ歩くような作品。
作品の制作者は、オランダのHedwig HEINSMAN(ヘドウィッヒ・ヘインスマン)/ Niki SMIT(ニキ・スミット) / Simon van der LINDEN(シーモン・ファン・デル・リンデン)さんの共同作品です。
視覚情報として入ってくるのは、スマートフォンからの通信の影響で若干遅れた俯瞰で撮影されたリアルタイム動画のみ。
それを見ながら、同時に5名ぐらいで柱の立っている会場内を徘徊します。
文化庁メディア芸術祭のサイトでの紹介
http://j-mediaarts.jp/awards/excellence_award?section_id=2&locale=ja
※リンク切れのためリンクをはずしました。
作者のWebサイト
http://www.monobanda.nl/
3RDを実際に体験してみる。その感想。
まず被ったら、自分の位置の確認です。まず自分がどこにいるかを、手を振ったりしながら確認します。
意外と被り物が単一な色や形状をしてることもあって、手をふったりして自分と映像を同期させないと、どこに自分がいるかがわからないです。
感覚としては、遠くにいるコントローラーを持った自分が、ラジコンカーになった自分をコントロールしてるような自分が分離したような不思議な感覚です。
適正のある人や慣れればそこそこは自由に動けそうなんだけど、体験時間中の5分や10分では壁や他の人にぶつからないようにうろうろ歩くのが精一杯でした。
スポーツしているときとか、車運転してるときの周りを俯瞰的に見ているような感覚とは違います。
使ったことはないけど、超広角カメラを4台使って駐車場に入れるときのサポートするアラウンドビューモニターは同じような感覚なのかなぁと想像しています。
俯瞰の視線を使う体験
私はテニスをやってるのですが、ダブルスだとプレイ中に見ていなくてもボールの動きや足音などから、ネットの前にいてもコート全体が見えているような感覚になるときがあります。こういうときの俯瞰的なイメージと3RDでのイメージはかなりかけ離れている気がしました。
サッカーやバスケットボールなど限られた領域で何人ものプレイヤーで試合するような競技の競技者は、それなり経験積んでると感覚的に体験した方も多いと思います。
また、スポーツのコンピューターゲームだと、3Dなどの処理が出来なかった昔のゲームは特に俯瞰的に見ながらプレイするのが多かったです。
最近だと、ドローン(Drone、マルチコプター)とGoPro HEROシリーズなどを使った空撮なども増えてきて、下記のYouTubeのOK GOの「I Won’t Let You Down」のPVでも、俯瞰の視点を使ってとても面白く演出してされています。
写真撮っているときとかも俯瞰とは限らず、常にいろんな角度からの視点を意識して見ている方もいらっしゃると思います。
ちょっとした未来には、人に対してよりぴったりと感覚の合う俯瞰映像をリアルタイムに見せてくれるガジェットなんかもでてきそうです。
自分とは違う位置に視界の意識をおいて、俯瞰でもの見る想像をする時間を作ってみてください。実際に目で見ている世界も脳内で処理されて入力が反転されてたり、盲点の部分を補完されてたり、頭の中で処理された世界です。
やってみると、きっと面白いし、新しい発見にもつながると思います。
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