フォント好きな人のためのイベントFontLovers #2に参加してきました。

公開日: : 東京, 関東, 雑感 ,

前回に引き続き、FontLovers #2に参加してきました。

夏目漱石「吾輩は猫である」の復刻初版本と丸明オールドとの比較

前回のFontLovers #1に続き、申し込みが遅れたものの、キャンセル待ちで参加できたため、2015年6月12日に行われたFontLovers #2に参加してきました。

前回の記事:
フォント好きな人のためのイベントFontLovers #1に参加してきました。

主催メンバーのひらいさだあきさんに別のイベントでお話した際に、すでに定員超えてしまってることをお聞きして、当日キャンセルも多いからキャンセル待ちで登録をすすめていただいたおかげで今回も参加できました。ありがとうございます!

今回の登壇者は、丸明オールド、丸明朝体で有名なカタオカデザインワークスの片岡朗さん、木龍歩美さんです。

業務用のフォント制作にかかわり、大きな実績も残してきた方の貴重なお話をうかがえるということで参加する前からワクワクしていました。

丸明オールドって何?って方も実際フォント見たら、広告や賞品などで見たことあるー!!ってなると思いますよ。

参考:
http://www.moji-sekkei.jp/mmin.html

今回の会場は渋谷のTECH LAB PAAK

今回も渋谷が会場ですが、前回とは異なりApple Store 渋谷の上階6階にある会員制のクリエイティブスペースTECH LAB PAAKでの開催でした。

普段は入れない企業のセミナールームやコワーキングスペースなどに入れるのもイベントの楽しみのひとつだと思います。

広々としたスペースで、普段利用されている会員の方も心地よく過ごせる空間ではないかと思いました。

参考:
http://techlabpaak.com/

代表作は丸明オールド・丸明朝体の片岡朗さんのお話

サントリービール「モルツ」の紙面広告で丸明オールドデビュー

セッション1と2はカタオカデザンワークスの片岡朗さんと木龍歩美さんのお話

カタオカデザインワークスさんが出しているフォントとしては、代表的なものに丸明オールド・丸明朝体があります。

片岡さんによると、丸明は「まるみん」と読みますが、発表した当初「がんりゅう」とか「まるみょう」とかなんか色々と違う読まれ方をされたらしいです。(笑)

その他に、iroha gothic、丸丸ゴシック、侑字、山本庵、芯など特徴のあるフォントたちを生み出されています。

普段表に出てきて話すことを少ない片岡さんをFontLoversの主催メンバーの関口さんが口説いて引っ張り出してきたそうです。

お話を聞いてると結構インスピレーションというか思いつきで、新しいフォントの制作に入っているような印象を最初は受けましたが、よくよく聞いていると今までにないフォントの隙間を埋めていくアプローチをしているのだと思いました。

カタオカデザインワークスのフォント芯の利用例

新しく制作されているフォント「芯」についてはとことん細いフォントで、今までとは違う文字を重ね合わせての表現など紹介
されていて印象的でした。

サントリーのビール「モルツ」の紙面広告などで制作段階中から使われはじめ、今ではいろんな商品などに使われています。

普段過ごしている中、商品や広告などに使われているフォントについては、デザインの構成要素の一つなので注目することは少ないと思います。

例えば、丸明オールド探しなど着目して僕たちが過ごしている世界を見渡すと面白いかも!?

書体制作についてのトークセッション

セッション3 デザイン・Webなど書体の利用シーンについてののキーワード

デザイン・Webなど書体の利用シーンについてのトークセッション。

書体に関して、FontLoversの主催メンバーも混ざりながらフォントに関するフリートークでした。
フォントの制作の際は、第2水準漢字などを先にある程度作ってバランスをとってから作り上げていくらしいです。

最後は、FontLoversの主催メンバーからの質問攻め(笑)

フォントに興味がある方ならわかると思うけど、ひらがな・カタカナ・JIS第1水準漢字・JIS第2水準漢字・JIS第3水準漢字・JIS第4水準漢字などあわせると1万字以上にのぼります。

そのため、数も多く一つのフォントを作り上げるのにどうしても数年かかります。

マンガの連載開始と長期連載の1巻と20巻の絵を比べると変わってくるように書体制作も途中でそこまで大きくなくても変化が起こるらしい。

片岡さんの場合は、途中で最初の方でデータ作り直したりなどもしたらしいです。

写研の写植版

また、イベントの開催中、普段見ることの出来ない書体制作のベースになった原字の実物、主催メンバーの関口さんの私物の写植版、丸明オールドの仮名のルーツとなった夏目漱石の『我輩ハ猫デアル』の初版本の復刻版などフォントにまつわるいろんな貴重な資料が回ってきてとても興味深かったです。

フォントにまつわるオススメ書籍など

主催メンバーオススメの雑誌がMdN2015年7月号 「特集 絶対フォント感を身につける」。付録も「絶対フォント感を身につけるためのフォント見本帳」でフォント尽くしの一冊。

MdNは、元々Macintosh designers Networkの略で、グラフィックデザインやWebデザインの雑誌で私も15年以上前からしばらくの間ほぼ毎号購入していて、最近はたまに興味があるものだけ購入しています。

参考:
http://www.mdn.co.jp/di/MdN/

また、参加者の方で「実例付きフォント字典」を手がけた人がいてご紹介いただいたのだけど、こちらも面白そうでした。

実際に広告などに使われた実例を掲載していて、フォントや権利元などとの交渉大変だったんだろうなぁと想像しています。

グラフィックレコーディングしているのも初めて見た!

和波さんのグラフィックレコーディング

今回グラフィックレコーディングを実際にやったり、イベントなどでも手がけている和波さんが招待されて参加されていて、大きな模造紙サイズの紙にカラフルにお話をまとめていらっしゃいました。

普段、私自身はラフぐらいしか絵は描かないけれど、面白そうなのでこちらも今度機会を作ってイベントなどに参加してみたいと思います。

たったの会費1000円!?気軽に参加できる懇親会

今回は、イベントへの参加費が無料。イベント終了後に引き続き行われる懇親会もなんと1,000円ととってもリーズナブルな会費で楽しめました。

懇親会では、ビザ&スナック、ビール・ハイボール・チュウハイなど、ドリンク片手につまみながら、他の参加者や主催メンバーの方々、登壇者の方たちと気軽にお話ができます。

主催メンバーの方の方に話をうかがったのだけど、懇親会のためにワザワザ場所を移動したり、普通の飲み会みたいに数千円出してとなると気軽に参加しにくいのでこういう形で開催しているらしいです。参加者側というか、私としてもお財布を気にせず、気軽に参加できる懇親会はうれしいです。

今回の参加者はフォント好きな人たちの集まりです。そして、今一緒に同じお話を聞いたばかりです。つまり、共通の話題に事欠きません。

普段、私はかなり人見知りで人と話すのが苦手ですが、すんなり場に入って楽しめました。

FontLovers #2のイベントの詳細・今後の活動情報など

今後もFontLoversでは、約3ヶ月に1回の割合でイベントを実施するそうです。
詳しくは、FontLoversのグループに優先的に告知されるそうなので、フォントに愛があるが好きな方、興味がある方はグループに入ってみてはいかがでしょうか。

主催メンバー中心にグループのメンバーの方が気になる最新トピックスを共有されていて面白いですよ。
以下、今回の参考サイトやURL、ハッシュタグになります。

カタオカデザインワークスフォントライブラリー
http://www.moji-sekkei.jp/

FontLovers Facebookグループ
https://www.facebook.com/groups/383748361777095/

FontLovers #2 Connpassイベントページ
http://fontlovers.connpass.com/event/14866/

FontLovers #2 Togetterまとめ
http://togetter.com/li/833975

FontLoversイベントのハッシュタグ
#fontloversjp

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