参加型アート展覧会「リー・ミンウェイとその関係展」を体験してきました。
参加するアートの展覧会「リー・ミンウェイとその関係展」
読者の体験をうながすことを目的・コンセプトとしているこのブログ、六本木ヒルズにある森美術館で2014年9月20日(土)~2015年1月4日(日)の期間で開催されている「リー・ミンウェイとその関係展」はとってもコンセプトにあっていると思って体験してきました。
ネタバレな内容もあるので行こうと思ってた方は読み飛ばして、まずは行ってきてください!きっと面白いと思います。
このアートの展覧会は、皆さんも参加して作品に影響を与えられます。副題とて「参加するアート―見る、話す、贈る、書く、食べる、そして世界とつながる」とあるように展覧会の来場者は、展示作品を眺めるではなくて展覧会の一部として参加することができます。
会期の始めの頃に行けば、これから参加者によってこの作品が影響を受けどうなるのか思いを馳せたり、会期の終わりのころにはどのような経緯でこのような作品になったんだろうと想像してみたり、いろんな角度から楽しめると思います。
リー・ミンウェイは、台湾出身で現在ニューヨークを拠点に活動されてるアーティストです。会期中に《プロジェクト・ともに食す》や《プロジェクト・リビングルーム》にリー・ミンウェイさん本人が参加することもあるようです。
大事なものを展示の一部として繕ってもらう。
今回は身に着けているもの以外で、補修が必要な衣類やポーチなどの布製品を持参していなかったので残念ながら参加せず。もう一度行ってみたいと思った展覧会なのでそのときもって行くつもりです。
特にこれから参加する皆さんはぜひ補修の必要な布製品(衣類やポーチ、バックなど)を持っていって参加してください。個人的には、参加したタイミングが会期初めなので今後どうなっていくのかが楽しみです。
その他にもSection1で展示されているものに、暗い部屋でやさしくライトアップされた砂が流れているものや、作品《石の旅》などエントリー下部にある写真をごらんいただけたらと思いますが、取り上げてない様々な作品がございます。実際自分の目や身体、五感と想像力をもって体感していただけると嬉しいです。
「その関係展」の部分を楽しむ
「関係性」を考えるための作品は、リー・ミンウェイに直接かかわったり、影響を与えたのではないかというアーティストの作品の展示です。リー・ミンウェイの作品をよりいっそう深く読み解くために用意されているものだと思います。
撮影禁止の場所のため、写真はなく実際に見て体験してくれとしかいえないのですが、ジョン・ケージ、イヴ・クラインの展示が多数あり、白隠、鈴木大拙などの禅に関する展示など、リー・ミンウェイの作品の解釈を外堀から埋めていくことにつながると思いました。また僕自身は禅の思想はいままでよく知らなかったので触れることができて面白かったです。
また、小沢剛の《ベジタブル・ウェポン―芋煮/福島》など、料理の材料で武器(ウェポン)を作って、構えた状態の女性のポートレート、その後、料理して食べるって発想は面白かったです。展示を見ていた外国人の方も、かなり興味深く観察していました。また、田中功起の料理人の動作を切り取った作品も興味深くずっと眺めてる方が多かったです。
美術館にあるお座敷で向かい合ってご飯を食べる。
次は、《プロジェクト・ともに食す》。美術館に展示されているお座敷の上でリー・ミンウェイさんもしくは、森美術館の関係者と一緒にご飯を食べます。
リー・ミンウェイさんと話をする場合は、英語で話をすることになるので、英語が話せないとリー・ミンウェイの回には参加できないようです。申し込みをしようと悩みましたが、英語はゆっくり話してもらえれば、そこそこ聞き取れるものの、話すほうは現在かなりしどろもどろに片言でしか話せない私は今回はパスしました。
話せる皆さん、絶好の機会なので、展示の横にあるポストからスケジュール確認して投函してくださいね。
展示作品に囲まれた美術館でともに一晩過ごす。
お座敷の次はベッドがあります(笑)つい最近ジュンク堂の書店内で泊まるというイベントが募集されているのを見たのですが、企画者がリー・ミンウェイの作品に影響されたのでしょうか。パクリと解釈するのではなくて、つながっていくと解釈すると気分悪くならないですよね。
それはさておき、こちらも参加型で会場内でスケジュール確認してポストすることができます。こちらには私も応募しました。ちょっと怖いもの見たさもありますが、当選したら面白そうだなーってわくわくしています。どうも参加された方の枕元に普段あるものを参加した場合預けて、どんどん追加されて展示されていくようです。
展覧会から広がるお花畑《ひろがる花園》
ルールはたった2つ。お花を連れて展覧会から出ましょう。内容は参加してからのお楽しみです。ちょっと勇気がいるかもしれないけど、つながりが感じられる作品です。その状況を楽しみましょう。
心のつながりや思いをつづる、そしてつなげる作品
実際に手を動かして、箱のを空け、また大事にしまうリー・ミンウェイさんの思い出がベースとなった作品《布の追想》。
自分の大切な人などに手紙をつづる作品《プロジェクト・手紙をつづる》など、心情的なつながりを大事にした作品が続きます。手紙に封をするかどうかは各自の自由(封されていない場合は他人が読んでもよい)、住所を書けば送ってくれるそうです。
メールやLINEなどで手書きで文章を書かない方もたまには大事な人のことを想いながら書いてみてはいかがでしょうか。よい機会だと思い私も文章をつづりました。
以前の展覧会ではこの作品で別れかけてたカップルがよりを戻して結婚したとかしないとかそんな面白い逸話もあるそうです。
《プロジェクト・リビングルーム》に参加してみる。
展覧会としての最後のギャラリーにとても広々として居心地のよさそうなリビングルームがあります。この写真は、プロジェクト・リビングルームの一部ですが、たくさんあるソファーの向こう側であまりイメージとしてよくないです。ごめんなさい。
六本木の景色を眺められる開放的な大きな窓、大きなかごの中にいるカナリアの声、油断してしてしまうと寝てしまいそうなすわり心地のいいソファーに座って、ゆったりとくつろげます。そしてこのリビングルームとそこで過ごす人々がインスタレーションとして作品となっています。
六本木に関係する様々な立場のホストの方が時々いらして、一緒に空間を共有している方たちといろんな話を聞かせて、また一緒に談話を楽しめます。
私は今回途中から、イスに座って参加したので、この人がホストかなーと考えながらまったりくつろいでたのですが、途中で話題を振ってくれて会話に入ることができました。この際は森美術館のスタッフの方がホストをされていて、外国人の旅行客の方や高校生の女の子たちと、日本語や英語で談話ができて本当に心地よい空間でした。
ホストはリー・ミンウェイさんが担当される回もあるそうです。詳しくはこちらのスケジュールをご覧ください。
美術館は自由に過ごせる空間
もし読者の方で美術館に行ったことがなくて、とっても堅苦しい空間だと思い込んでたり、一人で行くのはって敬遠している方がいらっしゃったらそれはきっと食わず嫌いです。その美術館や展示内容にもよるとは思いますが、自分のペースで楽しめる空間です。
このブログにも写真掲載しているように、カメラで撮影可能だったり、映像見ているときは床の端っこの方に座ってみてたりとか結構自由に見ることができます。森美術館の方もおっしゃってたのですが、美術館は自由です。きっと禁止事項や大声出したり、暴れたりしなければ注意されることもありません。皆さんもそれぞれのスタイルで展覧会を鑑賞してみてくださいね。
森美術館ホストの方もおっしゃってたんですが、あまり美術館に行ったことがない人はひょっとしたら堅苦しい空間だと思ってるかもしれないのですが、その美術館や展示内容にもよるとは思いますが、とっても自由な空間です。
「リー・ミンウェイとその関係展」について詳しくは…
観覧の所要時間としては、ゆっくり楽しむこともできるし、時間をかけずに楽しむこともできると思います。
私は、プロジェクトリビングルームでかなりゆったりしてたり、リン・ミンウェイの紹介映像を最初から最後まで見てたりしたので4時間ほどいましたが、2時間~3時間程度でそこそこじっくり見れるような印象でした。
詳しくは下記のリンクなどを参照してください。
リー・ミンウェイとその関係展 http://www.mori.art.museum/contents/lee_mingwei/
森美術館 https://www.mori.art.museum/jp/
東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー 53F
TEL 03-5777-8600
また、2014年10月19日(日)まではドール・カルチャー展も開催されてるようです。
天気がよければ、美術館の上にあるスカイデッキも合わせてお楽しみください。
関連記事:
六本木ヒルズ森タワー屋上のスカイデッキで東京をグルリと見渡す!
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